創業時に借入れするなら一般の銀行と金融公庫とではどちらが【借りる側】にとっていいのか?
相談に来られるお客様からよく訊かれます。
ここでは、創業間もない企業が最初に融資を受けるのは、銀行なのか公庫なのかどちらと付き合うべきか、それぞれのメリットについて説明します。
※デメリットはメリットでの説明の逆となりますので割愛します。
【銀行から創業融資を借りる場合のメリット】
1. 金利が安い
銀行から創業融資を借りた場合、表面金利は1.6%程度と低くなっています。ただし保証料の負担がありますので、後述します。
2. 公庫より多めの金額の融資が受けられる場合がある
公庫のHPをみると≪新企業育成貸付≫という制度があり、新規開業資金として7,200万円(うち運転資金4,800万円)いうメニューが載っています。あまり知られていませんが、新規に公庫から借入できるのは通常1,000万円、特例で1,500万円が上限です。(これは地域によって違うかもしれません。首都圏ではもう少し多いはずです。)
しかし、銀行では支店規模の大小によって支店長の決裁権限が違います。大きな金額の融資を単独の銀行で受ける必要があるのなら、要望には合致していると思います。
【公庫から創業融資を借りる場合のメリット】
1. 保証協会への保証料の負担がない
銀行で融資取引をする際、初めての場合は≪保証協会の保証≫は必ず必要となります。
保証料についての説明は別の機会にしますが、公庫での借入金利が2.0%+αである事を考えると銀行からの借入よりも公庫の方が安い場合が多くなります。
2. 決算書の提出が不要
銀行から融資を受けた場合、年1回の決算後に必ず決算書の提出が求められますが、公庫の場合は今のところそういったことがありません。金融機関に行くことに対し敷居が高いとか、何を訊かれるか不安だとかいった理由で抵抗感のある方がいますが、そういうプレッシャーがありません。
3. 返済実績が良好なら借換えへの移行がスムーズ
融資借入れ後、返済状況に問題がなく、順調に借入残高が減っていけば借換えがしやすくなります。借入残高が1/3~1/2くらいになって、返済日に銀行口座引落しが確認できていればおおむね大丈夫です。ただし、決算書の内容も重要ですので、融資申込み前に必ず確認してください。
4. 借入金額が大きくなる場合は協調融資という方法がある
先ほどは銀行か公庫かどちらか単独で融資を受ける場合は、銀行の方が可能性があると説明しましたが、借入れ金額が大きくなった場合には、公庫と銀行との協調融資という方法があります。この方法によると銀行と公庫とでリスクを負担しあう関係となるため、むしろこちらを歓迎する傾向がありますので専門家と相談して検討してみてください。
以上、創業時での借入れについて公庫と銀行とではまずどちらと取引きすべきか説明しましたが、おわかりいただけましたでしょうか。最新の情報についても後日わかった段階で追加していきたいと思います。